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大阪地方裁判所 昭和61年(わ)2666号 判決 1987年1月30日

本籍

奈良県生駒市東生駒一丁目四二番地

住居

同市東生駒一丁目三五一番地の五

会社役員

志村隆夫

昭和一五年八月二七日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき当裁判所は検察官長谷川充弘出席のうえ審理を遂げ、次のとおり採決する。

主文

被告人を懲役一年六月及び罰金四〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人志村隆夫は、昭和五二年三月から同五七年一一月まで大阪市天王寺区上本町八丁目九番一八号に、同年一二月から大阪市生野区巽南二丁目一番二一号に事務所を置き、「志村商会」の屋号でビニール及び合成皮革等の卸売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て

第一  昭和五七年分の総所得金額が八五、六一九、八〇四円(別紙(一)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が四八、五二六、九〇〇円であるにもかかわらず、架空の仕入れを計上するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五八年三月一五日、大阪市天王寺区堂ケ辻二丁目一一番二五号所在の所轄天王寺税務署において、同税務署長に対し、同五七年分の総所得金額が二三、二二九、八三五円で、これに対する所得税額が八、一六五、八〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税四〇、三六一、一〇〇円(別紙(二)脱税額計算書参照)を免れ

第二  昭和五八年分の総所得金額が一〇四、六六五、六四二円(別紙(三)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が六二、七六八、七〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五九年三月一五日、大阪市生野区勝山北五丁目二二番一四号所在の所轄生野税務署において、同税務署長に対し、同五八年分の総所得金額が三一、〇〇三、五四三円で、これに対する所得税額が一二、四三八、二〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税五〇、三三〇、五〇〇円(別紙(二)脱税額計算書参照)を免れ

第三  昭和五九年分の総所得金額が一四〇、七〇二、八二六円(別紙(四)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が八五、一三三、五〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同六〇年三月一五日、前記生野税務署において、同税務署長に対し、同五九年分の総所得金額が三二、七三七、七〇九円で、これに対する所得税額が一三、〇五七、〇〇〇である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税七二、〇七六、五〇〇円(別紙(二)脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の被告人に対する各質問てん末書

一  堀川八代美および志磨村道子の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の堀川八代美および志磨村道子に対する各質問てん末書

一  生野税務署長作成の昭和六一年六月二三日付証明書

一  収税官吏倉本賢二外二名(昭和六〇年一〇月七日付)、同福島清(同年八月一二日付)、同吉川正之(同年一二月三日付)、同二宮立志(同年一二月二七日付、同年九月二七日付、同年一二月一四日付)および同松川岩夫(昭和六一年一月九日付)各作成の調査書

判示第一の事実につき

一  岡村明の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の盧基錫に対する質問てん末書

一  収税官吏二宮立志作成の昭和六〇年一〇月三日付調査書

一  検察官作成の報告書

一  生野税務署長作成の昭和六一年一月八日付(一)証明書(所得税申告書写添付)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(一)

判示第一、第二の各事実につき

一  瀬川勝司の検察官に対する供述調書

一  収税官吏江上明作成の昭和六〇年一〇月九日付、同月七日付各調査書

判示第一、第三の各事実につき

一  収税官吏作成の志村昌子に対する質問てん末書

判示第二の事実につき

一  収税官吏江上明作成の昭和六〇年一二月四日付調査書

一  生野税務署長作成の昭和六一年一月八日付(二)証明書(所得税申告書写添付)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(二)

判示第二、第三の事実につき

一  収税官吏作成の姜朝弘に対する質問てん末書

判示第三の事実につき

一  収税官吏作成の森健二郎および久保勝彦に対する各質問てん末書

一  収税官吏常岡忠之(昭和六〇年九月二日付、二通)、同竹下隆(同年一〇月一二日付、三通、同年九月二四日付)、福島清(同年一二月四日付)、松川岩夫(昭和六一年一月九日付(二)、同吉川正之(昭和六〇年一二月五日付)各作成の調査書

一  生野税務署長作成の昭和六一年一月八日付(三)証明書(所得税申告書写添付)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(三)

(法令の適用)

判示各所為 所得税法二三八条一項、二項(いずれも懲役刑と罰金刑を併科)

併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)(懲役刑につき)、同法四八条二項、(罰金刑につき)

労役場留置 刑法一八条

執行猶予 刑法二五条一項

(裁判官 七沢章)

別紙(一)

修正損益計算書

志村隆夫

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

<省略>

<省略>

<省略>

別紙(二)

脱税額計算書

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

志村隆夫

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

別紙(四)

修正損益計算書

志村隆夫

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

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